一定の年代を過ぎると、最近の若者はという枕詞を使い始めるといわれています。
その言葉の後に続くのは、大体悪口か嘆きだというのが相場です。
よく考えると、私たち人類はこれを何千年も繰り返しているのではないでしょうか。
近頃の若い衆は、という前置きは世界中の大人の口をつく国際語とも言えるフレーズです。
洋の東西は問わず、すべての人間に共通しているのかもしれません。
例えば、言葉遣いの変化があります。
最近の日本語でいうと、ら抜き言葉がよく指摘されます。
若者に限らず、ら抜き言葉を使う人が増えています。
テレビのニュースなどで一般の人がコメントしている際、テロップで発言内容が画面に出ます。
話している本人はら抜き言葉を話しているのに、テロップでは正しい言葉に置き換えられています。
おそらく多くの人が間違いだと認識していないからでしょう。
さらに深刻なのが、敬語の使い方だといわれています。
日本語はきめ細やかな敬語の使い方に特徴があるというのが専門家の一致した意見です。
つまり日本語の核心部分である敬語を正しく使えない人が増えているのは、日本語の劣化そのものだというのが彼らの主張です。
確かに、きれいな日本語を聞くと優雅な雰囲気さえ感じます。
正しいマナーや作法を見せられた時と同じ雰囲気を感じるせいかもしれません。
しかし、いうまでもなく、言葉は生き物です。
江戸時代に使われていた日本語を日常的に話す人はいません。
同じように、100年後、日本語がどのように変化しているか誰も想像できません。
大切なことは、いつの時代でも相手を尊重し、言葉を伝えることではないでしょうか。
正しいマナーや作法を伝承していくのと同じように。